大阪富士工業では、レーザークラッディング(LMD)に従来技術の肉盛溶接・溶射を組み合わせた新しい表面改質技術の開発に取り組んでいます。 レーザークラッディング + 溶射溶射法は溶射材料の自由度が高く、母材への熱影響が少ないといった利点を持つ一方、皮膜の緻密性が低く、母材との密着強度が低いなどの弱点もあります。例えば耐高温腐食用途には酸化物系セラミックスを溶射施工しますが、皮膜の緻密性が低いため腐食成分が母材まで浸透・到達し、剥離や母材腐食の問題が発生します。LMDと溶射を併用すると、LMDの利点(少ない熱影響、母材と金属結合したメタル層)と溶射の利点(皮膜材料の選択自由度)の組み合わせにより母材腐食を抑制した耐高温腐食皮膜の形成が可能となります。
レーザークラッディング + PTAレーザークラッディングは、母材成分の希釈が極めて少ないことから肉盛厚みをPTAより薄くすることが可能です。しかしながら、耐摩耗部品の中にはミリ単位の厚い耐摩耗層の形成が必要なケースもあります。LMDとPTAを併用すると、LMDの利点(母材熱影響部の抑制と母材成分の低希釈)とPTAの利点(多層厚肉形成)の組み合わせにより耐用性に優れた均一な厚い皮膜形成が可能となります。 |
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